前週日経平均予想 ¥20,900 日経平均引値 ¥21,425

週末のニュースで米中貿易協議はほぼ決まった形。貿易面では中国がもう一段譲歩する形で、大筋合意しさらに為替操作で人民元安誘導をしないという為替合意を妥結したとムニューシン財務長官は誇らしげに発表した。ということは、中国は為替の意図的誘導を認めたと言うことであり、通商面での米国の要求は大筋決着することになる。
SYUNOU
しかし知的財産権問題資本の自由化問題、そしてファーウェイを筆頭にする国策企業に対する国家の資金供給の停止については中国は依然拒否していることから、3月1日の合意はあくまでも貿易面だけにとどまり、関税は現状のまま継続し、妥結できなければさらなる関税引き上げ、を延期して最終的には習近平との米中首脳会談で決着するとトランプ大統領はコメントした。

すでに3月1日の貿易面での米中合意を株式市場は織り込んでおり、今後は米中首脳会談へと興味は移る事になる。

(米国ダウ日足チャート)
2-22
年明けから上昇の一方通行できた米国ダウ。テクニカルでは5日線、25日線、75日線という移動平均のオーダーで、5日線上の極めて堅調な値動きでの上昇ということで、需給面での四角は全く感じられない。したがって、戻り天井を模索する相場展開が今後も続くだろう。そこで、極めて重要なのが1日の米中合意が「材料出尽くし」となるか?という点。現在のダウの上昇は、世界経済の後退や米中対立の影響による米国企業の収益低下の要因を「米中対立の影響」と結論づけている。引き続き米国経済は堅調に推移すると予想されるという見方で、その根拠がFRBの金融政策転換にあるとしているわけだ。
恐らくFRBが金融政策を転換しなかったならば、債券市場はCLO(企業ローン担保債券)を筆頭にバーストしていただろうと思われ、金融政策がこれ以上の引き締めを年内はやらないと示唆するコメントをしていることが下支えになっている。
したがって米国ダウは、テクニカルの需給では下落を予測できないわけで、地合いの変化に依存する形となっているが、2ヶ月間の上昇というのはいかにも行き過ぎと投資家は感じていることは確か。なので来週は3月1日に向けたポジション調整となるだろうね。

(日経平均日足チャート)
2-22NIKKE
一方中国比率の高い日本企業の業績は米国とは事情が異なる。それは米国ダウと日経平均のチャートを見れば一目瞭然ということで、米中交渉の次は日米貿易交渉が控え、その後に消費税増税があるということを考慮すると、海外ロングの日本株買いは現時点では極めて限定的な状況だ。しかし日経平均株価は、米国市場と同様の動きをするだろうということはまず間違いなく、ダウが天井を打てばその時点で日経平均も連動して戻り天井となる。テクニカルでも現在の水準は下落トレンドをブレイクしたとは言えず、25日線、75日線のGCまでは現在のペースでも一週間はかかることになる。
ただし、裁定買い残は異常に減少し、高水準の空売り比率が推移している状況で、大幅下落は起こり辛い好需給は継続すると思われるので、主力株相場よりも中小型株相場になる可能性が高いと見る。したがって来週の日経平均は揉み合いながらのポジション調整に終始すると考える。

後は現状の世界景気に対する考え方だろうと思う。つまり、日本、欧州、中国の企業業績は、米中対立が要因であると考えるならば、戻り株価を肯定することになる。しかし、個人的には株価の戻りは行き過ぎで、今後の世界経済はとりあえず従来の牽引役だった中国経済が悪すぎるために、米中合意があっても景気後退は止まらないだろうと予想。また米国経済も、年明けから消費に陰りが見えてきていることから、現在の関税水準が続けば不安定な要素として浮上してくると思う。したがって今後は徐々に現実を織り込む相場に推移すると思うね。

来週は現在の株価水準を揉み合いながら調整する相場になるということで、3月1日(金)の日経平均株価を・・・
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日経平均株価:3月1日(金)引け値 ¥21,200
ドル円:¥110.50

を予想する
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