ここ何ヶ月か米中貿易戦争懸念がマーケットの最大の争点だったわけだが、いきなりやってきたトルコ・リラ急落で改めて新興国通貨に対する懸念が拡大したわけで、それって投資家にとっては寝耳に水という感じ。だから経済が好調にもかかわらず、株式市場は動揺したんだよな。けれど、改めて考えるとその裏には年内あと2度あるとされるFRB利上げの影響が、新興国通貨安を加速させるという懸念があると思うのよ。なので、容易には事態は収拾されそうにないと思うね。
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(週明け半導体関連は急落の恐れも・・・)

FRBは、米国の雇用と通貨(物価)の安定を目的とした組織であるわけで、対外的な影響に対しては意外なほど配慮しないんだよね。なので、皮肉なことにトランプ大統領が貿易戦争を仕掛ければ仕掛けるほどドル以外の通貨は下落してしまって、その効果は薄れる。これが、変動相場制なんだ、というか、改めて経済の勉強をさせられる思いだよ。

各国の通貨は基本的には対ドルレートでその価値が判断される。なので、急激に通貨安になれば投資が引き上げられるのは避けようもない。最悪なのは債券投資で、債券安・金利上昇となるとそれこそ流動性を失う前に売り抜けないと大変だ。で、このところ新進国経済が好調であるために、ジワジワとドルが買われ、いわゆる「暴落モード」に入ってたと思う。それが、トルコリラの暴落によって一気に仕掛けられたということだろう。トルコ経済は決して悪くはないんで、そこがミソ。アルゼンチンやベネズエラじゃトリガーにはならんかった。

さて、次はどう考えても、イランだろうね。兎に角トランプはイランを弄りたくて仕方ないみたい。結局今一つパッとしない米国シェールを拡販したいってのがミエミエなのよ。それには、中東をつついて中国や日本にシェールを大量に買わせたい・・・。そんな思惑があるだろうし。ところが、シェールを売るのは容易じゃないのよ。何せ、欧州はパイプラインでロシアから供給を受けてるし、新たな輸入はそれこそ莫大な受け入れ施設への投資が必要になる。精製施設も新たに建設しなければならず、そこが最大のネックになってる。なので、新興国通貨を仕掛けて暴落させた後、(米国企業が)投資をして設備を作らせながら中東を弄る、みたいな、そんな戦略を描いてるんじゃないか、と思うね。そういうのは、米国のいつもの手口だからな。

けれども、イランはイランで、兎に角原油を売らないことには話にならんし、そのために政治力のために核開発をやめることはない。多分、イランが核兵器を持ったとなると、政治的に不安定な中東エリアだけでなく、世界の原油市場のマップが変わる恐れもある。なので、近いうちに、少なくともトランプが中間選挙パフォーマンスで躍起になっている11月までに、何らかの行動に出る可能性が高いね。現にイランは、通貨危機のトルコに対して支援を表明し、エルドアンはますます強気になって米国との対決姿勢を打ち出してるからな。

やはり米国(トランプ)のアメリカ第一主義ってのに対する、各国の反発は根強いと思うし、今の、世界の富がドルに集中する構図を快しとはしないだろうし。中国の習近平が共産党の権力を集中して独裁者になってると批判されているけれど、米国のトランプも結局は「目には目を」という手法で対抗してるわけだから・・・。いや、トランプだけじゃなくて日本の安倍首相も同じような感じだからな。どこかで歯車が狂ったら、嫌な時代が到来しそうで怖いね。

そして経済を見れば、まず米国の債券投資がとにかく儲からないのよ。半分くらい赤字らしいしな。それに日本も来年は消費税増税イヤーで先細り。そんな時に中国を叩いたら・・・。今のトランプの姿勢は近い将来、遺恨を残すと思うぜ。やはり客観的にみても米国のほうが他国を食い物にしてきた歴史は否めないからな。日本株、買って報われるとは思えんけどなぁ・・・(苦笑)
 

これを出してくると思ったぜ!というか今の不確定要素の塊のような相場でははっきり言ってこれしかない。俺のワンナイト・ギャンブルもこの範疇だからね。 これは大推奨だな。
【相場師朗】のショットガン投資法

灘株太郎 今は亡き師匠にささげる私的連載小説!
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