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前週日経平均予想¥22,700 8月10日 日経平均引け値 ¥22,298

思わぬところ(トルコ)からミニ金融危機の様相となった週末。薄商いのなか、それなりに堅調に推移すると思われた株式市場は、まず日本市場が薄商いの中で円高を嫌気した売り叩きをもらって▲¥300の急落、そしてその流れが欧州各市場に波及しトルコ・リラが急激な通貨安となってドルインデックスを押し上げ、ユーロ安を誘っての大幅安(FTSE▲0.97%、DAX▲1.99%、CAC40▲1.59%、MIB▲2.51%)、そして米国市場全面安(ダウ▲0.77%、NASDAQ▲0.67%、S&P500▲0.71%)と続いた。
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(起こさなくてもよい金融危機をエルドアンとトランプが引き起こした)

各国が薄商いの中、それなりに経済発展をしているトルコから急激に(ドルやユーロの)外貨資金流出となり、かなりインパクトがあったと思われるし、日本市場のザラ場でも円高・ユーロ安が進んでいたことである程度警戒はされていたが・・・。この時期の薄商いは2015年のチャイナショックの最終局面となった通り、ネガティブな影響が出やすい。しかも今回はトランプ大統領が仕掛けた貿易戦争の真っ最中で株式市場はナーバスになっている時期。加えて米国コアCPIが前年比2.4%上昇という数字を叩き出しこともあり9月のFRB利上げは確定的となった直後である。
(米国ダウ日足チャート)
DAU8-10
堅調に戻りを試した米国ダウは、25日線、75日線が上向きで、トレンドは上昇基調。企業業績も良く雇用も安定的で対中関税対立の影響もさほど出ていない。一方で、ハイテク企業に関する懸念は相変わらずくすぶっていて、半導体は踊り場という解釈もされている。また、物価が堅調なこともあり9月の利上げはほぼ確定的な情勢。今回のトルコ危機に関してもさほどの危機感は週末の時点では軽くいなした程度。なので、今後この問題が新興国通貨に波及するのか、によって来週の様相は大きく変わる可能性もある。9月の利上げで新興国からのドル流出が加速すれば、米国一国主義の弊害がクローズアップされる可能性も・・・。そして米中間の関税合戦も26日から制裁・報復の第二弾が発動されるわけで、8月の夏休み明けで商いが戻ってもしばらくはもみ合う展開ではないか。来週の米国ダウは株価が崩れても復元作用が働く(夏休み中の株価を動かしたくない)。


(日経平均日足チャート)
 NIKE8-10
一方の日本市場は、薄商いはもちろんだが、為替次第の展開が続くはずだ。日足チャートでは移動平均三線が集中し株価が大きく変動しやすい位置とされるが、週末に早くも三線を一気に縦断する陰線となった。これで25日線・75日線の短期のDCが確定し、週初は薄商いとあいまって下落基調でスタートする。加えて決算がほぼ終了し、一旦はポジションを戻す動きが出る週でもあり、相場の足腰は極めて弱い。トルコ発の金融危機の新興国への伝搬がなければ、日本市場にはさほど影響はないと思われるが、需給で下げたならそのことを材料視される可能性もある。また、懸念されるのはこの時期の意図的な円高で、仮に米国政府筋から為替に関する発言が飛び出せば、(円高に)振られる可能性もある。その場合は、閑散市場での思わぬ突っ込みとなるかもしれない。

今回のトルコリラの下落の影響は、EU系の金融機関が多く進出していることでEUの懸念は小さくない。しかし、今回の問題の根本には米国との政治的対立(米国人牧師を拘束しその制裁でトルコの2閣僚を米国が制裁)があり、リラ安に対する通貨防衛策を講じようとしたトルコ中銀をエルドアン大統領が強権発動で阻止し続けているという背景がある。そしてこの構図は、米中関係となんら変わることはない。

中国は人民元安によって、米国の関税引き上げに対抗しようとする。実際トランプの仕掛けた貿易戦争は、米国の対中赤字拡大によって米国勝利とは言えない状況が足元にある。だが、そうなれば中国は膨大なドル建て債務によって自らの首を絞め続けることにもなる。一方米国とてトランプ大統領の行動力はたしたものだとは思うが、それを政権がフォローできていないし結果としてすべてに中途半端だ。もちろん日米交渉も9月の首脳会談で決着ということらしいが、貿易戦争を仕掛けて成果がなければ11月の中間選挙には勝てないね。
したがって来週の日本市場は(突発的な要因が多く)予想することにあまり意味があるとは思えないが、
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日経平均株価:8月17日引け値 ¥22,000
ドル円:¥110.00

とする。
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これを出してくると思ったぜ!というか今の不確定要素の塊のような相場でははっきり言ってこれしかない。俺のワンナイト・ギャンブルもこの範疇だからね。 これは大推奨だな。
【相場師朗】のショットガン投資法

灘株太郎 今は亡き師匠にささげる私的連載小説!
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