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FRBは米国経済について最も情報を持つ機関であることは間違いない。けれどもサブプライムショック後、財政政策という手段を失った各国政府は、経済危機を乗り切るために中銀の金融政策に経済運営を一任してしまったわけだ。もちろんそれは米国も例外じゃなかった。
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それまで、中銀の役割とは経済と通貨の安定が主眼だった。にもかかわらず、サブプライムショックが発生して、従来の中銀の手法(金利操作や債券オペレーション)では乗り切れないことがはっきりとした時点で、とにかく市中の不良債権を買い漁るという暴挙に出た!
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1億円の借金で破産寸前の男がいた。資産はほとんど何もないが、目ぼしいものは実勢価格30万程度の車とローン残債のある家と土地だけだった。しかし家と土地は購入価格は5000万だったがローンの残債が約4000万ある。任意売却してもせいぜい1000万程度で到底ローンは払いきれない。残りの6000万の借金は投資の失敗で背負ったもの。破産は時間の問題だった。

そこに、突如救いの神が現れ、住宅ローン残債を4000万で引きうけてくれることに。男は当面、その家に住みながら借金を1億円から6000万円に減らすことができた。しかも、ほぼゼロ金利で融資するので米国債を買いなさいと。10年もの3%のモノを1億円分買えば償還時には借金はゼロになる・・・。
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この手法は実は日本が苦し紛れに編み出したもの!小泉内閣と竹中平蔵と財務省・日銀のオペレーションで、財務省は税収が減るから国債を発行できる、不良債権処理ができなかった銀行は、日銀のゼロ金利資金を無尽蔵に供給してもらって日本国債を買う。短期国債ならば売買を繰り返し、長期国債ならば償還を待てばよい。こうして日本は金融機関の不良債権問題を解決してしまったから、これをモデルにすれば乗り切れる、とばかりFRBECBもこの手法を採用です!(バーナンキは日本に対して冒険的・野心的な経済政策を常に進言して、日本経済を金融政策の実験場としていた!)

日本についで米国も金融機関の健全化を達成したが、ECBはドイツが通貨供給を拒み続け、いまだに健全化の目途は立っていない。ゼロ金利資金で国債を購入するだけというこの単純なプログラムが様々な思惑が絡み合い実行できないのがEUという連合体の悲しさかも。

その、金融政策により長らくコントロールしてきた経済が、気がつくともう限界っぽい兆候だぜ!

そもそも、中銀のこのような金融政策によって、何もしなくても財務状況が改善し、景気回復とともに業績回復し、株価が上がる時代が10年も続けば・・・企業はM&Aとか投資とか・・・金融的な行動にばかり目を奪われるようになる。が、基本的に企業規模が拡大して独占的になるのはむしろ資本主義の末期的な症状だ。

そして投資に対してリターンが得られている間は新たな行動を起こそうとは思わない。技術開発や事業開拓等企業の根幹を太くする作業を怠り、M&Aで手っ取り早く枝葉をつけることばかりになる。その結果、企業の体質は弱体化している場合が多い。

またここ数年、米国ではベンチャーの起業が急激に減少してしまった。そこには(金融資本主義下で)資本力が圧倒的な強さを発揮し、起業では太刀打ちできなくなったという現実があり、またベンチャー企業に出資するエンゼルが極端に少なくなったことも要因とされる。

ここに来て米国経済も、そして事情は異なるにせよ日本経済とて、これ以上金融政策による景気刺激が、その効果よりもリスクの方が大きいレベルまで来ていることを、世界中の投資家が意識し始めている。ここ3年の間、金融緩和による効果はほとんど見いだせず、物価は期待値に届かない状況・・・。
消費が期待値以下で、継続的な物価上昇が難しくなってきている状況・・・。さらには企業収益の伸び悩み・・・。中銀の強気な姿勢とは裏腹な景気の状況を危惧するのは極めて自然だ。

そして徐々に投資家は結果を求めるようになる。つまり、金融緩和によってジャブジャブのマネーが隅々まで行きわたってもなお、景気が減速するとなれば、そこに金融政策による景気対策の限界を意識しない方が異常だろう。

そして米国の金融政策が大きく転嫁する時期が迫る中、ここまで吊り上げられてきた株価や債券金利がどうなるのか・・・これを感じ取れない投資家は、市場に参加する資格を失うに違いない。あのサブプライム・ショックの時の地獄からみれば、今の経済状況はまさに桃源郷なのだ。けれども、いまその桃源郷にいることを忘れて、ここからさらなる桃源郷を追い求める行為は身を滅ぼすということを、まだ多くの投資家は忘れていないはずだ。
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