が今の相場で、最も懸念していることは・・・
相場と言うよりも、米国経済の枠組みに関してのことだが・・・
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トランプは従来の方針を180度転換する保護主義を強硬に唱えているが、言うまでもなくこれは米国の経済構造を根本から覆すものなんだよ。だいたい、サブプライムショック以降未曾有の金融緩和(FRBによるQE)で、とにかくジャブジャブと資金供給して不良債権の金利負担を止めた。同時に金利引き下げで5%~10%もの金利差を生じさせて、その差額を不良債権処理にあてたわけだ。この政策の元祖は実は日本なんだよ。

日本は金融機関の不良債権処理のために膨大な国債を強制的に金融機関に引き取らせ、日銀がそれを買い上げることで金利低下(国債価格上昇)を誘導して、その金利差で不良債権処理を行ってきた。つまり、大量に資金供給して金利差を生じさせれば、不良債権処理が可能というモデル。これをバーナンキは全部真似たわけだよな。

もちろんこのモデルは資本主義至上初めてのもので、従来はインフレが怖くてとても導入できるものではなかったんだ。ところが、気がつくとグローバリズムの普及で国際分業が普及していた。これがある限り、輸入は常に国内生産よりも極めて安価で、常にデフレ圧力が働くわけで、金融緩和をやってもインフレにならないことに、バーナンキは気がついたわけだよ。実際日本では、いくら金融緩和をしてもインフレにはなっていないどころか、着々とデフレが進行しただけだった。その意味では、あのトンデモ経済学者の竹中平蔵の唯一の、しかもほとんど金字塔のような政策だったわけだよ。

サブプライムショック後は、まずは不良債権の金額を封印すること、そして金利上昇の最中、中銀が市場介入することで金利を大幅に引き下げる、という日本式を大胆に導入した。そして一時的に不良債権を債券化しこれを無差別に中銀が引きとり続けたわけで(CP買いオペ)、金利は反転し短期金利は5%→0.25%まで低下。思惑通りだよな。

それを見ても、日銀の白川総裁は全く何も感じなかったから、日本はデフレであり続けた。過去の政策がある程度成功していたにも関わらず、前任の福井総裁が数々の利益相反を行っていたことで非難がでて、白川総裁は政策踏襲をしなかったわけよ。だが、実際のこのモデルは極めて有効でそれを黒田総裁になって改めて大胆に再導入したということなんだぜ。もちろん、日本以前に欧州(特にドイツ)がQEを大胆に導入していたから、これで日欧米は揃って金融緩和の足並みが揃ったわけ。

けれども、その前提というのは、【輸入によるデフレ圧力】なんだって。これが大きなキーポイントで、これがインフレを抑制し、CPI上昇を食い止めるからこそ、金融をジャブジャブにできるわけ。そうでなければ日欧米はとっくに極めて危険なインフレに見舞われていたさ!

けれども、トランプは(というよりトランプの経済ブレーンは)、このことを全く無視しているか、軽視しているか、または気づいてもいない、主義主張の全く違う面々らしいな。だから、【保護主義】をぶち上げてこの【奇跡のような金融政策モデル】をぶち壊そうとしてるわけよ。
だからトランプが内需拡大やら減税やら、輸入品に対する大幅課税なんかをぶち上げれば、米経済に有効に作用していたデフレ圧力がすっ飛んで、米国経済は【超インフレ】に突入しちまう・・・。

なので、トランプの経済政策は、正直ほとんどアホの政策なんだっての!G7を見ていて分かるように、トランプが孤立するのは、さしたる意味もなくそうした経済政策を否定するからなんだぜ。各国首脳はもちろん経済政策なんかよくわからん面々だから、自国のブレーンで検討して方針を決めるわけだが、トランプの方向性は大きなミステイクだと、はっきりと断言されているわけだ。

いまでも部分的には米国は極めて深刻なインフレに見舞われてるわけだよ。すでに大都市部での不動産価格、家賃価格はとんでもなくバブルで、住宅価格もまたウナギ登りだ。その他さまざまな分野での物価上昇が始まっているが、輸入品価格がそれを抑え込んでいることでなんとかインフレの加速を抑えているのが現実だ。それでも奨学金の返済はもはや米国でも不可能になっている。

だから仮にFRB利上げを続けるなら、部分的なインフレが爆発する可能性があるのよ。もちろん債券金利は急騰するだろうし、そうなると個人のファイナンスにも大きな影響が及ぶわけだよ。そして最終的には個人消費が落ち込んでしまう。そんなの年初からの自動車販売の状況を見ればすぐにわかるさ。
しかし、金利を引き上げてここでインフレを食い止めないとヤバイ!

そのFRBとトランプの政策は真っ向から対立するわけだよ。はっきり言ってトランプ政権の面々は経済を知らなさすぎるし、関心もない。軍人ばかりじゃ話にならんし、石油屋と不動産屋じゃてめえの分野だけ価格が上昇すりゃいいわけで・・・。

だから、【トランプ潰し】【米国の良心】なんだよ。早いとこ、なんとかしないと米国経済は混乱するばかりだ。
今の市場は、経済政策に関してトランプは政策実行力がなく現状維持というコンセンサス。その中でFRBが利上げをするという方向を織り込み始めてる。なので、トランプを無視している業績相場になっている。だが大きな動きがあれば・・・この微妙なバランスは大きく崩れる可能性が高いわけよ。良くも悪しくも【トランプ相場】継続中だってことさ。
 

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