いよいよ今夜トランプ新大統領の就任式だ。言うまでもないが宣誓式に続く就任演説が、株式市場・為替市場に大きく影響してくると思うぜ。何せトランプは当選以来、具体的に政策に言及したことは一度もないからな。メキシコ国境に壁を作るとか、国境税を導入するとか、そんなことは相変わらず言ってるが・・・。
1200x-1

トランプの選挙戦で掲げた政策は
1)法人税・所得税の減税
2)インフラ投資の増強
3)自由貿易を否定し保護貿易を導入(TPP撤退)
4)金融規制(ドット・フランク法)の撤廃
5)石油・天然ガス・石炭のエネルギー増大
6)製造業の国内回帰による雇用拡大
7)軍備増強

ということになる。しかし各政策はそれぞれに大いなる矛盾を抱えているよなぁ。そこを見てみると、

まず1だが、すぐに財源の問題に行きつくわけで、国債発行の大幅な増加が不可欠で、そうなると長短金利は上昇し国債価格は急落するよな。これは債券市場にとって極めて危険な問題だ。そのタイミングで中国辺りが売り浴びせてくると・・・あまり考えたくない状況になってしまう。

次に2)5)6)7)はいずれも内需政策だ。インフラ整備は不動産の価値を上げるだろうし、無尽蔵のシェールを活用すれば、原発依存から脱却出来るだろう。そして製造業が(半ば強制的に)国内回帰し、軍需産業が活況になれば・・・、この4つの政策は米国景気を大いに刺激すると思うし、雇用は大幅に増え、賃金は上昇するだろう。 しかし仮に本当にこれらの政策をトランプが実行に移すとすれば、米国経済はたちどころにバブルに突入する。FRB(イエレン議長)が利上げを年3回とする可能性を示唆したのは、今の状況、つまり無尽蔵に過剰流動性が増えている状況でこうした政策を実行すれば、近い将来必ずバブルは崩壊し、その時には資本主義経済そのものが壊滅するほどのダメージになると、そう言いたいのだと思う。何せバブルの大元はすべてファイナンスになるからだ。

3)は保護貿易主義に回帰することで、貿易不均衡を是正しようというものだが、これをやればやるほどにドル高になってゆく。為替とはドルの持つ通貨価値ではなくて他の通貨との比較に他ならないからだ。ドルー円、ドルーユーロ、そしてクロスドルはすべてドル高になる。その結果、多くのグローバル化した米国企業は苦境に立たされるだろう。

4)自己資本規制と自己取引規制を主眼とするこの法律を撤廃すれば・・・ウォール街はたちまち世界最悪の金融ギャングに変身し、世界中の金融市場をメチャメチャに荒らすだろうし、デリバティブは天文学的な取引量になり、資本主義の壊滅に一役買うだろう。

以上のように「強いアメリカ」「アメリカ・ザ・ファースト」の政策は、実際に米国経済を安定成長に導けるかと言えば、それは不可能だと断言できる。そもそも、各国の経済格差を修正するために変動相場へ移行してきた経緯があり、その前提は可能な限りの自由貿易なのだから。
トランプ大統領の政策は現時点では、財政政策によって大幅な金融緩和を行い景気を今以上に持ち上げる(つまりバブル経済化)政策以外の何物でもなく、FRBの金融引き締めと真っ向対立するのだ。反面、アメリカ企業にとっては想像を絶するドル高の驚異に晒されることになり、ほどなく限界に達する企業も出る。アップルなどは倒産の危機に晒されるかもしれない。

そもそも、アメリカ経済とは、数十億の市場を前提として成立しているグローバル経済なのだ。にもかかわらず僅かな人口の国内市場の好景気が、アメリカ企業を潤すことは有り得ない。 トランプ大統領の掲げる政策は、机上の空論であり砂漠の楼閣である。そして自らの通貨高(ドル高)によって自滅する運命にあることを、ジョージ・ソロスは厳しく指摘している。

確かに言われるまでもなく、トランプ大統領の政策は、まさしく矛盾の塊に見える。それを今夜の就任演説で、どう説明するのか、問われていると思う。単純に「強いアメリカ」を掲げるだけでは、少なくとも投資家は納得するはずがない。

結局そのあたりが、今夜の就任演説の見どころだろうと思います。楽しみだ。

260本超え!調子でてきました!YOUTUBEドン引き動画集
【 WET BLANKET 】 
相場のストレスはこれで発散!
毎日複数本更新! 
動画厳選50本超え!YOUTUBE元気が出る動画集
【Feel So Good】
こちらのほうがストレス発散出来るかな!?^^)
絶好調!株式投資ブログby株太郎
【株・愚痴の裏道】
禁断の本音が覗きまくり!?アクセス急増中。