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14日の後場に日銀の介入によって大きく戻った影響もあって、週末の株価予想は大きく外す結果となった。だが誤算は週半ばから円安に振れた為替の影響が大きい。地合いとしてはほぼ予想通りの軟調なものであったと思うが、ドル円が動けば追従するという日経平均の姿は変わらなかった。
そして特に週後半は大きく地合いが変化したと思う。
BOBU
(ノーベル賞も材料出尽くし!?)

中国の輸出入(貿易統計)の減少が世界経済の重石となったが、昨日発表の消費者物価と卸売物価の上昇が一応懸念を打ち消す格好になった。欧州はドイツ銀行とイタリアのモンテパスキの金融不安が一服でそこそこ安定的。加えて米大統領選挙に関して米株式市場はヒラリーで織り込み済み。これで日米ともに目先の相場は企業決算に集中することになる。

さて、日本市場。現在の売買高水準では本来、日経平均を引きあげるパワーはない。SQの金曜でさえ1.9兆円台と極めて低水準。こうなると、日本株の動きは基本的にパターン化してくると思われる。そして従来にもまして、夜間の為替の動きと米ダウの動きに大きく乖離した朝寄りの値付けとなる可能性が高い。

まず夜間、米ダウが大きく上昇すると、翌日の日経平均はGUスタートで寄り後に買い物を集めることになるが、出来高が極めて少なく買いが続かないためにザラ場では徐々に垂れる展開に。そして反対にGDスタートであれば、日銀のETF介入が行われる。悪材料を伴ったGD出なければ、ETF買いによって日経平均はジワジワと値戻しになる。当面はこの繰り返しが続くと思われる。
reutersmedia
(ハイ・プレッシャー・エコノミーなる説をブチ上げたイエレン議長)

だがすでに12月利上げを織り込みつつある米ダウは、中国リスクの後退を好感してGUしたが上値は重く、三角持ち合い下抜けを明確に否定することは出来なかった。
(米ダウ日足チャート)
DAU
13日のGDからの戻りは流石に強烈で、長い下髭の陽線コマとなって反発を示唆。ついで昨夜は5日線、25日線を回復して戻りを鮮明にした。米ダウの短期トレンドは「大陰線後のコマ」の出現で反転する場合が多く、割り込みはしたものの$18,000は岩盤との印象を与えた。
そして企業決算本格化となるが、各企業の業績コンセンサスが低めの設定のためにそれほど株価は下げない可能性が高い。

そして早期に$18,300を抜けてくるようならば、再び高値を狙う様な動きになってもおかしくはない。だが、テクニカルでは依然上値は極めて重いということを示唆しているためにレンジ相場継続となるだろう。仮に持ち合いを上抜ければ今回の持ち合いを耐えきったことで、ほぼ利食い売りを吸収できたと言うことになる。
だが売られる懸念は後退しつつあるものの、買われる理由が見当たらないことをチャートは示唆している。となれば11月のファンドの決算は上値を叩いてくる可能性も大いにある。

そうなると気になるのは日経平均だ。
(日経平均日足チャート)
NIKKE

木曜の急落を何とか25日線で踏みとどまった日経平均は、金曜の陽線で反発の気配となった。ただ、この株価の位置を左右するのは、ドル円と日銀のETF買いオペであることから、米ダウが堅調ならば徐々に円売りポジションが減少する可能性もある。だが本格化する個別の企業決算は売られる可能性が高く、日経平均寄与度の高い企業の業績は織り込み済みなために、来週は引き続きレンジ相場継続の可能性が高いと見る。

日足チャートでは、全体としてレンジ切り上げの傾向はあるものの、来週はレンジの下限を模索すると読む。

以上の観点から、来週の日本市場はドル円の円安基調継続、そして米国のニューヨーク連銀指数の改善等によってレンジを維持すると思われるが、「買い要素の欠如」から上値が追い辛い。企業決算期待も高まらず上値を追い掛けるような相場には成らないだろう。ということで・・・10月21日引け値は、
日経平均:¥16,500
ドル円:¥104.00
と予想する。


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