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弱含みの9月米雇用統計だが、FRBの利上げを再考させるものではなく、依然として12月利上げは鉄板だと思う。だがその前に、米国市場は織り込まねばならない大問題があることを、改めて意識し始めたんじゃないか?もちろんそれは米大統領選挙だ。
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すでにダウはFRB利上げを十分に織り込んでいる。なので本来、雇用統計で株価が大きく変動することはないはずだが、大統領選挙に関してはまったく織り込んでいないだろう。どちらの候補が当選するのか事前の予想では、まったく分からない。メディアを通じてウォール街は、クリントン優勢を懸命にアピールしているものの、BREXITの例があるために、相場が織り込めないでいるのは明らかだ。

昨年の12月にFRBは政策目標であるFF(フェデラルファンド)金利を0.25%引きあげた。金利誘導目標を0~0.25から0.25~0.50にしただけだが、従来の金融政策の転換ということで、年初来株式市場は急落した。僅か0.25%の利上げでこれだけの影響を受けてしまった株式市場なのだ。この利上げとトランプ、クリントン両候補のどちらかが大統領就任して政策転換になった場合の影響とどちらが大きいかは明白だと俺は考える。特に、トランプが当選下場合、現在の経済政策は大転換を余儀なくされるだろうし、クリントンでさえ、FRBの0.25%の利上げとは比較にならない影響があるだろう。
株式市場はここから大統領選挙まで、じっくりとこの影響を織り込まざるを得ないのだ。
reutersmedia
今回の大統領選挙は、ポピュリズム対決となってしまった。そのためにトランプはもとよりクリントンでさえウォール街への優遇政策は非常にやり辛くなっている。現在オバマ体制では、民主党のメインスポンサーであるために、金融緩和を含めた様々な優遇措置を行っている。もちろんその一環として超ハト派であったイエレンを半ば強引にFRB議長にした経緯がある。このため、クリントンと言えど、イエレンの議長再任には抵抗があると伝えられている。

いずれにしても、米国の経済運営は大きく変わらざるを得なくなることは確実で、さらにはクリントン就任であっても膨張する国債発行を共和党は全力で阻止してくるはずで、緊縮方向の財政を取らざるを得なくなる。実は、週末の米国市場は日曜の第二回TV討論を意識しての動きであり、それは大統領選挙を意識した動きになったと見る。そうなると、ダウは上値を取る動きは少なくとも大統領選挙までは、有り得ないということになり、それがダウ日足チャートにおける75日線したでの三角持ち合いの動きなのだろう。ここから、米国市場は調整入りではないか?
(ダウ日足チャート)
mo
三角持ち合いから抜けられず5日連続で75日線に頭を押さえられたダウだが、同時に驚異的な粘り腰で下値を切り上げた。来週は「利上げ」よりも「大統領選挙」を織り込む相場になるだろうし、外部要因にも左右される可能性も。

米国のこの動きを受けて来週の日本市場は、日経平均¥17,000が非常に遠い週となるだろうな。少なくとも企業決算が出始めて業績の下方修正が意識される相場では、上値の取りようがない。為替もこの局面では¥104台がいっぱいいっぱいだろうと見る。確かに日本市場には円安進行という願望があったと思うが、9月米雇用統計で腰折れ、¥100~¥105のボックスは当面抜けられそうもない。
(日経平均日足チャート)
nikkeihiasi
日経平均の日足は、明らかに上昇トレンドだ。だが、8月以降日銀の大幅なETF買いによって維持された官製相場(緑丸)だと思う。本来であればダウ同様に75日線下での持ち合いとなったはず。連日出来高も極めて少なく海外勢の買いが入っていない証だ。
来週は75日線を目指す展開になる?

さらに、10日に懸念されている北朝鮮の動き、国慶節明けの中国市場の動きと人民元の動向、米国や欧州における長期金利の上昇等々が顕著化すれば、お世辞にも上値を取りに行ける相場ではないように思う。したがって来週(11日~15日)の日本市場は今週と打って変わって終始軟調に推移すると予想し、
10月15日日経平均引け値、ドル円は・・・
日経平均:¥16,400
ドル円:¥102.50
を予想する。

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