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先週の予想は23日引け値で日経平均¥16,200だったが、大きく外して¥16,754。理由はこれはもう明らかに日銀の政策決定会合で「マイナス金利深堀」をしなかったこと。あれだけ事前に匂わせておきながら、当日は「最初からマイナス金利深堀は考えていなかった」的な態度を取られたら、ますます日銀への信頼感は薄れた。
reutersmedia
今回の金融緩和手法の変更というのはある意味鬼門だね。金利重視の政策と言えば思いだすのは前白川総裁。量的緩和を嫌い金利を重視した政策は、結局何も出来ずに終わったのは記憶に新しい。そう、金利操作は非常に難しいんだよ。いまは、金融緩和の一環として年80兆円の国債買い入れというのをやっているが、現在のペースで国債買い入れを続けることは、あと1年しないうちにほとんど物理的に不可能になってくる。ならば、金利操作が1年間の間に目標の状態までたどり着くのか?と言えば、はっきり言ってそれは夢物語だよ。
324あのグリーンスパンの時のFRBでさえ、市中金利のコントロールが出来ずにバブルを誘発する結果になった。日銀がETFをいくら買っても株式市場が上昇することはないのと同様に、市中金利を日銀か国債買い入れでコントロールすることは、ほぼ不可能なんだよ。それは、FRBも同じで昨年の利上げ効果はまったく出てないわけだよ。利上げしたにも関わらず米国債金利は下落の一途をたどってきた。しかし、ナーバスな債券市場では、低格付けの債券金利は跳ねあがり、と結局は混乱するだけ。それが、金利をコントロールしているとは、なかなか言い難くなってるのも事実だ。

というわけで、今回の日銀政策決定会合は、結局のところ日銀が市場介入を強化して、金利を固定してしまうというもはや無謀というべき政策を打ちだした。考えてみれば、日銀はバズーカ1発目以来、どんどん市場介入を強化し、気がつくと自由市場とは名ばかりの官製相場になった。これを始めてしまうと、もう止められなくなるんだよ。そして日銀にはその自覚はまったくない。
これがどれほど恐ろしいことか・・・そういう考えもない。

これ、たとえば連鎖的な暴落が起こると、日本は日銀もGPIFも何もかもが一気に地獄に堕ちるというとんでもない状況だろ?相場なんで、そういう事だって有り得るし、しかもかなり近い将来にそれがあっても不思議でないほど、世界の債券市場は過熱してるわけだ。もちろん、株式市場も過熱してる。

俺は、「日銀の奢り」だと思うが・・・。

というわけで、何はともあれ日銀の新政策によって株価は上昇。マイナス金利深堀もなく一気にショートカバーで戻した。
(日経平均日足チャート)
日3
75日線を下値の抵抗線にして反発した日経平均は、水曜の大陽線で25日線を捉え、そして金曜の押しでも割ることはなかったことから、日足チャートとしては申し分のない良形になり、上昇を示唆する格好になった。そして月曜に下落するとしても、5日線を割らなければ十分に上値を狙える形をキープ出来る。なので、チャートに従えば断然「買い」だとは思うが・・・。

日経平均の足を引っ張る唯一のファクターはドル円で、ここから現在の水準を無視して上値を追うということは、ダウが史上最高値を更新するよりも海外勢にとってはインパクトがある。逆にダウが軟調になってくると、今度はダウ連動で売られる可能性がある。ドル円は日経平均の相対株価を指示しないとなると、いよいよ日本株は需給だけの鉄火場と化す。

来週は中間配当の権利落ちも含めて、軟調に推移すると思われ、また欧州、米国ともに調整するとの読みで、日経平均は国内勢、海外勢に利食いされ、個人が買うという展開を予想。さらに26日の大統領候補TV討論がネガティブに反応するだろう。したがって、9月30日の引け値は・・・
日経平均:¥16,300
ドル円:¥99.70
を予想します。

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