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いよいよ債券市場の雲行きが怪しくなってきた。
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今回ECBドラギ総裁は金融政策現状維持を表明し、また将来的な政策の方向性を示すことはなかった。だが、通常フォワードガイダンスを発するのが常である「おしゃべりドラギ」が、沈黙した理由は、非常に危機的な状況に陥っている、欧州金融機関の現状に波風を立てたくないという配慮以外の何物でもない。
多額の不良債権を抱えたまま一向に改善を見せないドイツ銀行、スペインのサンタンデール銀行、イタリアのモンテ・パスキ銀行をはじめとする各国大手銀行は、日々綱渡り的な運営を行っており、金融政策における僅かな変化で「惨事に陥る可能性」が否定出来ないからだ。

ドイツ銀行とサンタンデール銀行は米国ストレステストで(資本不足で)不合格し、要注意銀行を決定づけたが、イタリアの各銀行はそれ以上に深刻でEUルールを破る(間接的な)公的資金導入によって生きながらえているというのが実態だ。

そのためドラギ総裁に手の打ちようもなく、長期金利の上昇は止まらない状況に陥るかもしれない。
ドイツ国債


9月21日・22日に日銀政策決定会合が開催される。前回の会合で黒田総裁「政策総括を行う」と発表し、続いて「金融緩和方向を維持する」と数回に渡り表明、中曽副総裁は「緩和縮小は有り得ない」と断言している。そして、幹部の発言を総合すると、日銀は「マイナス金利導入によってフラット化してしまったイールドカーブの傾斜を急勾配にする(長期国債金利上昇)ことで、効果的な金融緩和効果を得る」と結論」づけていると思われます。
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しかし短期金利(短期国債金利)を上昇させてしまうと、金融緩和効果が薄れてしまうため、年初のマイナス金利導入を強行した経緯があるわけで、今回の政策総括の結論は、「従来の金融政策の方向性は正しいが、マイナス金利の導入によって結果的にイールドカーブがフラット化してしまったので、そこを是正する必要がある」というもので、そのために「選択的国債買いオペ」を導入するのではないか?つまり、長期国債の買い入れを停止することで意図的に金利を上昇させるものと予想しますが・・・。
すでに長期国債金利は、このような日銀の政策を予想して上昇を開始しています。
日本国債


一方金融引き締め方向に舵を切った米国では、FRBハト派理事の発言から9月利上げの可能性が高まり、長期国債金利は上昇した。しかし同時に株式が厳しく売られ金曜のダウは¥394という急落に見舞われた。
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利上げ方向の米国で長期国債金利が上昇するのは当然と思われますが、金融緩和継続の日欧も上昇ということになれば、米国ではより急激な上昇となる可能性が高いはず。これは市場的に考えると、日欧米ともに長期金利上昇を懸念して長期国債が売られたことを意味します。その上で米国は、株式が売られたと言うことになるだろう。
米国債

その意味をどう考えるか?がポイントになる。国債金利は各国ともに債券金利の基準だが、今後日欧米ともに、それぞれ理由は異なるにせよ、長期金利は上昇すると思う。政策が異なり政策金利が異なるにも関わらず、それぞれの地域で長期国債の金利が上昇するということは、つまり・・・
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(グリーンスパン元FRB議長は再三にわたり債券市場のバブルを指摘し、債券金利急騰を警告している)

もはや現状では、金融政策自体の効果が実体経済に対して非常に怪しくなっていると考えるべき。ダウが急落したように、仮に週初の日欧株式市場がダウ並みの急落になるとすると、「債券売り、株売り」というとんでもない事態に陥る可能性が否定できなくなる。その結果膨大な債券市場で金利が上昇し売り物が出ると・・・・。
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(リフレ派のバーナンキ前FRB議長は、米国での金融緩和早期縮小を主張。)

その影響は、あっという間に欧州金融機関、中国、に伝搬する可能性が高い。そしてその結果金融市場は混乱に陥って、株式相場は暴落でしょう。週初に持ちこたえても危機は続く。

日銀が21日の会合で「マイナス金利深堀」「選択的国債買いオペ導入」のどちらかを表明すれば、世界的な債券暴落のトリガーになる可能性があります。また日銀発表から半日後に行われるFRB発表で「9月利上げ」となった場合でもトリガーになる可能性は大いにある。

長期国債金利の上昇は、金融機関にとって貸出金利の上昇をもたらし、収益性は改善するかもしれませんが、反面保有資産の劣化をまねく。問題は意図的に現行の金融政策で金利操作をした場合、その影響が計れないということだ。欧州経済、日本経済は金融緩和をやり続けることが前提の現行株価水準。出口のない金融政策でかろうじて維持されてる経済状況なのだ。

一方の米国では、景気は踊り場となり雇用状況はピークに達していて労働コストは上昇を続けている。この状況で、「金融政策の余地を確保するための利上げ」は、明らかに景気に水を差し、膨れ上がった債券は売られ、株式市場は暴落するだろう。

その影響は、日欧を直撃する。
長期国債金利の動向はまさに「いま、そこにある危機」となりつつあります。

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