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(日本国債20年債利回り)

米国金融政策は、好調な雇用と個人消費を背景に年内利上げは確実になった。企業業績は踊り場にさしかかり、各景気指標は悪化しているにも関わらず、労働市場がタイトになっていることが、個人消費を強気にしている。それは毎度のことながら個人ファイナンスの増加によるものであることは、問題視されておらず、ここに決定的な盲点がある。米国の個人ファイナンスは上昇の一途をたどっており、リーマンショック後の貯蓄志向は完全に消え去った。こうなると、市中金利は嫌でも上昇してゆくし、FRBもまたFF金利を上げざるを得ない状況に追い込まれている。

一方、日本は米国同様雇用こそ堅調であるものの、CPIは目標の2%には程遠く、GDPは低迷している。直近ではGDPの算出方法をめぐり現行の総務省方式に日銀が異論を唱えているが、日銀方式で再計算すると、約50兆円の差が出ると言われている。ただし、GDPに関しては伸び率が問題なのであって算出方法そのものは重視されない。そんななか、日銀従来の金融政策の全面的な見直しを行うとした。そして事前のフォワードガイダンスに伴うコメントでは、金融緩和の引き締め・出口政策は有り得ないとしている。これだけの金融政策を打ちながら、コアコアCPIでさえ(コアCPIから価格変動の激しいエネルギーを除外したもの)1%未満の状況では、言い訳はできないだろう。そして、CPI2.0%に拘るあまり、いよいよ本格的にインフレ政策に踏み込む可能性が高い。

この日米の金融政策の180度とも言える差異が、9月の株式市場を大混乱に陥れる可能性は非常に高いと思う。片や金融引き締めで景気の過熱感を冷やそうと言う政策を打ち、その一方で真逆の金融政策を一段と強化すれば、為替は大混乱に陥る。9月の日銀政策決定会合とFOMCの時間差は数時間(1日)であり、ドル円市場は最大の危機を迎える。
恐らく日銀が政策発表を行えば、FRBは9月利上げを見送るだろう。

仮に両国中銀が同時に政策発表を行えば、一夜にして¥5、¥10の変動が来てしまい市場は大混乱に陥ってしまう。

だが、今回日銀は劇薬とも言える政策を打つ可能性が非常に高まった。先週の買いオペで超長期国債のオペを見送ったことで、金利は急上昇した。米国雇用統計を受けてドル円が円安に傾いたことも、金利上昇に拍車を掛けるとみて売り物が相当数でたが・・・この傾向は今後も続くと考えなければならない。
(10年物国債金利日足チャート)
10nenn

(イールドカーブ)
flat-yield-curve

日銀は本格的にCPI上昇を目論むために、イールドカーブの傾斜(傾き)を強めようとマイナス金利を導入した。ブルー曲線の始点を下方シフトさせることで傾斜を強めようとしたが、レッド曲線のように円高の進行で全体がフラット化し下方にシフトしてしまった。今回の金融政策見直しでは、グリーン線の形を目指してくると思われる。そのためにすでに超長期国債の買いオペを飛ばす、という金融政策を(先週)行っているのである。

通常の金融政策であれば、買いオペを抑制することで金利は上昇する。しかし財政や国債価格の暴落を考慮すると長期債の急激な金利上昇は避けねばならず、したがって9月金融政策見直しではマイナス金利の深堀は必須であると考える。

がしかし、このまま円安に歯止めがかからない状況となれば、国債金利は上昇し、多額の日本国債を保有するゆうちょ銀行、かんぽ生命、三菱UFJ等の金融機関は大きな打撃をこうむる。その上、日銀の政策が見えてしまった以上、日本国債は売らねばならない。

そのことに市場が反応すれば、日銀政策決定会合前の金融株暴落は十分にあり得る危機である。

 

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