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結局、株価が将来どうなる、といういうのはロングの株式投資を、それも年単位での勝負を賭けるときにはある程度意味がある。けれども、個人投資家のような短期で値幅を狙おうという投資の場合には、日経平均がどうなる、みたいな予想は的中率は5割だと。もちろん、トレンドというのがあって、傾向はでるけれど、それとて明日はどうなる?と言われても当たるもんじゃないって師匠は言ってたような気がする。

気がする、というのはとうとう最後まで明確な答えはもらえなかったんだよな。
「相場は上がったり下がったり」
っていうのが師匠の口から頻繁に出てた。確かにその通りだと思ったよ。今回の任天堂の相場だって、「このままずっと¥50,000くらいまで行くんじゃないか?」なんて思いながら買ってた投資家が多いと思うんだよ。けれども、結果としてそんなことはなかった。

「大事なのは、株価が上下に動くときの変わり目を板から感じとること」

師匠はそう言ってた。
「大きな日経平均の上下動もそうだけど、デイトレするときのザラバの板も同じだと。どちらも潮目の変化があって、それが感じとれるようになったら、そんなに負けなくなるよ」
「そんなの、わかるの?」
「なんとなくな。20年も板みてりゃ、わかるようにもなる」
「コツとかあるわけ?」
「潮目が変わるんだ」
「潮目?」
「そう、満ち潮と引き潮の境目」
「そんなもん・・・・」
「だから板みてろっていってるだろう?」
「みてたら分かる?」
「どうかな」

どうかな、言われてもな。けれど、そう言われてしまうと、真剣に見てると何となくわかるような気になってくる。そして後の三ヶ月くらいは、ずっとそんなことに大の大人が二人して、画面にかぶりつきだったんだ。
小さな17インチの師匠の家のパソコン画面。力が入ってくると、師匠の顔にくっつきそうで(苦笑)俺もタバコ吸うし、師匠は俺の3倍吸うし・・・。部屋中がとんでもないことになったね。
そのたびに師匠の奥さんに叱られた。
「窓あけて!」
ごもっともでございます(苦笑)
それである日、師匠の家にパソコンを持参したんだよ。19インチの2画面のやつ。師匠は・・・
「こんなの持ってきちゃって、会社思い出すじゃないか!」
「いけませんか?」
「まぁ、いいよ」
まんざらでもなさそうだった。

二人で、ザラバの潮目の当てっこをするわけ。
師匠は8割以上当たる。俺は最初のうちは3割とか・・・・。
師匠は現場にいて注文の出方を知ってるんだよ。だから変化が分かる。けど、俺なんか何もしらないわけだから・・・。
そのうち、師匠が注文を解説してくれるようになった。
「あっ、いまのは外資」
「いまのは委託」
「どうしてわかるの?」
「外資はタイミング良く成り買いを始めるんだよ。委託は2テンポ遅れてロット買いする」
「そんなのわからんね、俺には」
「分かるようになるよ」

「買いで同値に何度も小さく注文いれるのは、怪しいよ」
「売りは強引な買いが入った後の2分後から」
「それって空売りのこと?」
「そう。売って返せば、短期筋なら逃げるから。その逃げで下がるだろ?」
「なるほど・・・」

もうどれもこれも珠玉の会話だろ?そいうのを、大の大人が延々とやってるわけだから、傍目では異様な光景だったかもな。
それで三ヶ月後には俺も6割くらいは当たるようになったんだ。

今の板を師匠に見せたらなんて言うかな?今の板はビンビンにアルゴだろう?それで指し値の7割くらいは実質的な見せ板だからな。けれどザラバの買い転換、売り転換もある意味では潮目があると思うんだよ。もちろん、今は師匠の教えは通用しない部分も多いと思うけど、不特定多数の参加者が多い任天堂とかマックでは、凄く分かりやすかった。通用する部分もまだまだあるかな?と実感したんだよ。

今月の俺の取引を師匠に見せたかったよ。