poke
この週末になってますます「ポケモンGO」に関する報道がエスカレートしてきた。週末に欧州各国で配信開始されて無料ランキングは全部1位!とてつもないスピードと規模で全世界に広がっている。もはや異常事態といってもいい。

そこで元祖7974 任天堂の株価をどう見るか、だよな。

まず、株価の前に任天堂の業績がどうなるか、ってことだ。こんな時に役立つのはYAHOO掲示板で、世の中には調査オタクの投資家がわんさかいるんで、その中の書き込みで論理的に筋の通ったものを見ればいいんだよ(凄い書き込みあるからね)。

結論からいうと、任天堂が受けとれるロイヤリティーは総売り上げの10%程度、そして関連機器の発売等で同等の売上(利益は1/2程度)という見方が正解のようだ。全世界で5000億円の売り上げがあるとすると経常利益で750億円の恩恵がある、という程度だろう。
がしかし、それでも今の任天堂にとっては大きい。

ninntenn
今期の業績予想は上記(同社決算短信)なので、仮に「ポケモンGO」の年間売上が前記のとおり5000億円程度とすれば、売上、営業利益、経常利益ともに500億円、そして関連機器の販売で500億円程度の売り上げならば、営業利益、経常利益で250億円の計上が出来るかもしれない。
となると通期予想としては
売上高 600,000(百万円)
営業利益 120,000
経常利益 120,000
当期純利益 920,000

となるはず・・・。

急騰前の株価が¥15,000前後だったので、金曜引け値の¥27,780というのは約1.85倍。上記の業績となった場合のEPSは¥765で現行株価予想PERは36.3である。

さてそんなことは誰だって計算するよな。「ポケモンGO」の年間売上が5000億円というのは、ちょっと多いかもしれないが、日本単独で大ヒットしたパズドラのガンホーが1730億円(2014年12月期9だったので、全世界で異次元の大ヒットとなると、それくらいはいくかもしれない。

だが・・・任天堂の戦略は大失敗してるんだよ。まず自社のハードウエア事業を守らないといけないという見地に立ってたから、スマホゲームへの参入決断が遅れた。その結果DENAと組んでスマホゲームを発売することになったが、その矢先に今回の「ポケモンGO」大ブレイクになった。だが、気がつくとポケモンは株式会社ポケモンの管理下にあって、任天堂は32%の出資者に過ぎない。今回の「ポケモンGO」は、株式会社ポケモンとナイアンティック社の共同作品ということでメイドインUSAなんだよな。収益の取り分はIPプラットフォーム(GoogleとApple)、株式会社ポケモン、ナイアンティックで3分割。任天堂株式会社ポケモンに対して持分法適用だ。
reutersmedia
(ナイアンティック社CEO)
この経緯をみても、元来自社開発のキャラクターであったポケモンを本体から切り離してしまったところに決定的な失敗があった。しかし市場(世間)はポケモンは任天堂であると思ってるし、弁護士のケント・ギルバート氏も「米国人はポケモン=任天堂と認識してる」と言ってます。これで、任天堂はスマホゲームに大きく舵を切った会社という認識で、ますます従来型のハード・ソフト戦略は衰退してしまう可能性が濃厚だよ。となると、このポケモンGOの大ヒットは、任天堂にとっては両刃の剣だぜ。

ゲーム機に関して言えば、技術を高度化したプレステしか残らないんじゃないか?画像エンジン技術ではソニーは完全に世界をリードしてるから、任天堂は残念だけど追従できないだろう。この「ポケモンGO」をきっかけに、評価されるのは、高度なVR(バーチャル・リアリティ)とAR(拡張現実)になっちまう。そうなったら任天堂はもう、形振り構わずスマホゲームに突っ込むしかなくなるし・・・。

なので、今後の株価形成の要素には、必ずこうした冷静な見方が加味されるはず。とりあえず今の流れは1Q決算発表(2月27日)までだろうな。


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