とにかくメディアの煽りが凄いことになってる。
笑っちまう話だが、ユーロ圏財務相会合が始まってしばらくすると、ツイッターで国民投票の話が流れて、会合は大騒ぎになったと。そしてギリシャ側もそのことを知らなかったと。
そんなバカなことがあるかいっ!
国民投票の話は前日に出ていたし、27日に議会承認を得られるかどうかって段階だった。
そしてギリシャ議会は国民投票にGOを出したってことだろ。
なので、「寝耳に水」ってわけじゃない。
もう一つこんな話も・・・
ギリシャ財務相が早々に会合を拒否して退席したと。
なので、それに怒ったユーロ圏財務相側が、「支援は出来ないね」とケツを捲くったっていうもの。

これもおかしい。
なぜなら、27日の会合はすでに双方で要求を出しつくして
「あとはギリシャのYes、Noだけ」とユーロ圏財務相側は迫っただけ
それに対して、ギリシャは、「国民投票をやるっていってるじゃん」と返事をした。
この図式、一見ユーロ側に分があると見えるんだが・・・
そしてメディアも一斉にまるで大問題になった、みたいな報道をして煽ってるけれどもさ
もっと言えば週明けの株式市場、為替市場は大荒れ、みたいなことをバンバン書いてるけれど
俺には案外「悪材料出尽くし上昇」の可能性も捨てきれないな。

要するにEU側にしてみると、「弱点をギリシャに直撃されてキレた」ってことだろ。
どうしてもギリシャのデフォルトをさせたくないし、EURO離脱も止めなきゃならない
その上で貸金で雁字搦めに縛ってなんとか言うことを聞かせて返済をさせたい
というのが、EUの腹だ。

なにせ、今回ギリシャを切り離そうものなら、第二のギリシャは必ず出るからな。
ギリシャ程度の国家でも、ドイツ・フランスだけで16兆円も貸し込んでるわけで
第二のギリシャ何てことになれば、それこそEUROの壊滅の時を迎えるからな。
なんとか、現政権を懐柔しないことには、という暗黙のミッションがある。

なので、条件を譲歩することなんぞ何でもないことなんだと思うし、そのためにはある程度格好をつけないとダメ。まるっきり政治の世界になってるんだよ。所謂、納得できる「落とし所」でないとダメ。
そこにギリシャは「伝家の宝刀=国民投票=民主主義」を持ちだした!
これはEU側がもっとも恐れていた「ギリシャ」というより「加盟国のファイナルウエポン」だからな。
なんとか、27日中に議会承認が下りないようにしたかったし、決着も付けたかった。
けれどもチプラス首相は前日に会見で表明しちゃってる。
そして議会承認も下りてしまった。
これで30日に不履行になろうが、どうなろうが5日の国民投票は実施されるんだ。
となれば、交渉ではなくて、民主主義によって決まってしまうんだよ。
たとえ残留・条件承認、であろうが、デフォルト・離脱であろうが、交渉の余地はなくオートマチックに決まっちまう。
これこそ、EUが最も恐れていることだよな。

ただ、どうなろうと、たとえば30日にIMFに返済しようが不履行だろうが、すでに市場はこの問題を織り込んでるようにも思える。株式市場は、かなり難しい局面だった26日に早くも反発気配だった。もちろんショートカバーが中心だったろうが・・・。場中に国民投票の話も出ていたし、30日にIMFの債務不履行の可能性も十分にあったんだぜ。ただ、ギリシャ問題を「ネタ」にして仕掛ける欧州系銀行やら米系ヘッジファンドやら、いろいろ魑魅魍魎だから、値動きは荒くなるかもしれん。日本市場は、この問題の「蚊帳の外」だけに、素直に影響を受けたりして、馬鹿みたいに押す可能性も無きにしもあらずだが。

いずれにしても、同一通貨内での地方政府の破綻劇、と言う意味では、大した問題にはならんし、メディアが煽るほどではないような気がするぜ。
そしてギリシャ劇場はここからが面白いんだよ。
起・承・転・
「結」に向かってどう落とし所を探るのか・・・
EUもギリシャも政治家が逃げまくって、国民にまる投げするようなことは止めて欲しいけどな。

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