先週末まで俺は「ギリシャの破綻は決定的」と思っていたよ。連日連夜、様々な報道で脅かされっぱなしだったからな。思えばこの騒ぎ、4月の頭とかGW前、GW明け、5月末、6月5日、そして今度は18日が最終期限と来たもんだ。だが、その都度、次回は・・・となった(次回があるんだ!?)。報道する側も、散々破綻を煽っておいて、回避のたびにネタを見つけてきて、新しい記事を書く。「デフォルトする」って書いて「しなかった」わけだから「ごめんなさい」があってしかるべきだが、そんなものはすぐに忘れる(苦笑)。
だから、今回も「例によって狼少年」ってわけじゃないんだが、「ギリシャは破綻しない」と、いやいや、「ギリシャはデフォルトしないしEURO離脱もしない」と思うようになったんだな。

この問題、もう少し冷静に考えるべきだった。相場で食ってるわけだから、ついつい「相場と連動させて考えちまう癖」がついちまってる。だが、冷静になればなるほど、「ギリシャを破綻に追い込んだとして(EUに)何かメリットがあるのか?」って思うわけだ。ギリシャがデフォルトすると、膨大な債務は返済できなくなる。ドイツ、フランスだけでも17兆円あまりの融資残があるらしいし、IMFも相当あるわけで、これが回収できなくなるってのは大変なことだよな。次に債券(国債)があって、金融機関への流動性融資もあるし、それらが消えたらそれこそ大変なことになる。債券や債権に関してはCDSCDOでヘッジしているので、ヘッジ債券もある。仮にギリシャのチプロスがケツを捲くってしまうと、最悪それらはパーになるってことだろ?デフォルトしちまって挙句に自国通貨なんぞを使いだしたら、返済のしようもなくなるわけだ。一説によると、債権団(EU、ECB、IMF)にとって最悪のシナリオでは数十兆円が消えさると言われていて、ほとんど、ドイツ、フランスの国家予算を超えちまう規模だと。もっともそれだけじゃ無くて債券市場や株式市場の急落によって失われる額も無視できないと。普通に考えて、そんなことするか!?ってことだよな。メリットは何もない。デメリットは膨大だ。そんな選択は有り得ないわけだよ。

一方、ギリシャはどうか?というと、ギリシャにとって理想的な展開は、様々な手段で債務を軽減し延長することだろう。場合によっては実質的に「棒引き」に出来れば願ってもない展開というわけだ。実質的な棒引きってのは、たとえば金利ゼロにして10年間据え置き、とかな。そういう感じだろうな。何度か書いたが、本来ならデフォルト、EURO離脱、しかギリシャ経済再建の目途は立たないんだよな。借金の返済をバシバシやれば、景気は悪くなる一方だし、増税や年金カットは致命的だ。だからこの際、デフォルトして自国通貨導入でインフレにして債務の額面を減らしちまうってのが、常套手段なんだが、それをやると海外流出した預金(資金)がEURO建てなので、押さえられちまう可能性が非常に高いからな。

それで、あの手この手で債権団と交渉して、最後は「ゴネ得」を勝ち取って、GDPの1.7倍もの債務をどうするか?ってことだが・・・。日本方式を導入すれば何とかなるんじゃないか?日本は膨大な赤字予算を国債発行で賄ってるよな。その国債を引き受ける金融機関や機関投資家が、「もうこれ以上買えません」となった。そこで「いやいや買えますよ」っていうことで、すでに所有している国債を中央銀行(日銀)が買い取っちまった。「ね!枠が空いたでしょ?」って感じでまた買わせるのよ。資金はゼロ金利で無尽蔵にだしちゃう!余裕だぜ!(苦笑)じゃ買い取った国債はどうなるの?ってことだが、辛抱強く持ってればやがて償還時期が来る。10年債なら償還期日まで何年かあるだろ?30年債なら相当ある。これをとにかく景気が良くなるまでトコトンやるってのが日本方式。ちなみにその間にインフレになってくれたらしめたもので、っていうかなるんだろうけど、いつの間にか債務は減っちまうわけだよ。目先は償還すると中央銀行は金利分儲かる。儲かったら国庫に返納するわけで、これだと実質的にはいくら金利が上昇してもOKってカラクリだ。それをギリシャでもやれば、いつの間にか債務は消えるんだよ。これ究極の先延ばしだけどな。

そのためには、ギリシャはデフォルトしたくないし、なんとか国債をECBの買い取りプログラムに入れないと目先はヤバイ。この点だけがギリシャの唯一の「弱味」かもしれんが・・・。

このギリシャ騒動の茶番劇、あっけない幕切れになるよ、きっと。それは俺が思うには、デフォルトでもEURO離脱でもないということだ。
そうなっちまったら世界中ヤレヤレだな。

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