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2016年07月

いま、そこにある危機 2016.07.31 雇用統計とフォワードガイダンス

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米国経済は明らかに2014年までの勢いは失われている。そして本来踊り場であるはずだった2015年も前半はFRB利上げ懸念が重石となり、後半からは原油価格の暴落突入で景気指標は悪化した。しかし2016年に入り、なんとか旺盛な個人消費で下支えられ、維持されている状況だ。しかし、4月以降、設備投資の減少が顕著になりつつあり、原油価格の反発も限定的になった。そして大きく影響を受けているのが雇用というわけだ。その雇用統計は来週末に発表される。
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(米国経済は個人消費が景気を支えている状況)

7月の雇用に関しては、事前予想は20万人前後となっていて、人口増加率からする平均値みたいです。しかし、投資という観点で観ると、アメリカは決して良い方向には向かっていないような気がする。特に貧富の格差は異常なレベルになってます。なので、雇用統計とは、言ってみればかつての米国の「奴隷制度時代の奴隷数の推移」みたいなもので、企業のご都合主義で大きく変動します。それが、端的に現れたのが5月の統計で、シェールの悲惨な状況やBREXITを懸念して企業経営者のマインドが最悪だったと思われます。

日本にいては情報が入らないですから、そこがダウを見るうえでの難しさになる。そういう意味では7月は、BREXITが決まって混乱のなか、FRB利上げが先送りとの観測が台頭してきた状態で、企業経営者がどのように考えているのか、が問われるものとなってます。ただし、大統領選で候補者が決まり、トランプにしてもヒラリーにしても、米国経済にとってはあまり好ましい候補者ではないので、その意味での失望感はあるかもしれません。

ただ、確実に言えることは米国GDPは成長鈍化し、FRBは利上げが出来ない状況に追い込まれているということです。
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このグラフを見ると米国GDPは5期連続の(前期比マイナス)で成長の鈍化がはっきりしてきました。これではとても利上げどころではなく、現在の株価の位置は「景気衰退の中での株高」となってます。

つまり、景気の状況を観察する限り、7月の雇用統計は10~15万人増と考えるのが適当です。もちろん、ブレの大きな統計なので、不透明感はいつものことですが、予想値になれば、米国株も当然のことながら水準訂正に向かうはずです。
その意味で来週末の米雇用統計は米国経済を見る上で極めて重要な位置付けになってきました。仮にこれが悪化すれば、一気に調整ムードに突入です。
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(良いはずの7月が悪化すると8,9月が弱いのは前提なので雇用統計ショックとなりかねない)

さて日銀の政策発表を受けて日本市場は、週末の時点で¥16,569で引けたが、夜間になってドル円は¥102.09まで円高となり、日経平均先物は¥16,310まで売りこまれた。日銀のETF買い入れ増額が、少なくとも海外勢の失望を買ったとこは明らかだ。株価が上昇したところで、円高が進めば海外勢にとっては利益がでないどころか損失となってしまう。ゆえに、円高が政策的に抑えられないのなら、株は売り急ぐことになる。この状況で米雇用統計が悪化すれば、ドル円はあっけなく¥100を切るだろう。
reutersmedia

日銀はある種の「フォワードガイダンス」予想通り導入してきた。次回の政策決定会合で従来の金融緩和策を検証するというもの。そして市場に対して様々な憶測、思惑を生じさせるという「手法」である。次回会合で日銀は従来政策を見直し、大きく方向転換するのではないか、という思惑がこの週末には早くも取りざたされている。しかし、中央銀行が従来政策を否定し、突如方向転換することなど、有り得ない。それをしたら中央銀行は一気に市場の信認を失うだろう。となれば、2%の物価上昇を実現できる有効な金融緩和を模索するのだろう。その思惑が、日本市場を支えることになるなら、日銀の作戦は成功ということになる。

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安倍政権の景気対策は28兆円だそうな。そのうち真水(GDPに換算される政府支出)は、地方も合わせて約7兆円で、今年度執行分は3兆円だそうで・・・。後は財政投融資が6兆円、民間融資も含めた貸付が約15兆円あってもちろん、その中にはJR東海のリニア工事に対する貸付約3兆円も含まれます。
真水が僅かに3兆円では、デフレギャップ約7兆円~8兆円さえ埋められず・・・実質的なGDPの成長率は計算上プラスに転じないよ。

こんな景気対策ってありなのか?だいたい発表前から「赤字国債は発行しない」なんて言ってたし・・・。民間企業になったゆうちょ銀行から強制的に資金を出させたり、だまって年金を使ったり。そうした財政投融資の融資先は、全部特殊法人だったり。もう、景気対策には程遠い内容だぁ。こんなの、景気対策言わないで、補正予算でいいんだよ。景気対策は真水の部分だけ。今年度3兆円、来年度4兆円、って言えばいいのにな。これなら赤字国債なんか、要らないね。

で、内容からすると、財政政策の効果は全くなし。こんなインチキをいくらやっても、日本経済は良くならないぜ。良くならないどころか、落ち込む一方だろ!なぜならこれで、デフレ脱却はほぼ不可能になっちまうっからだよ。

8227しまむら、とかドラッグストア系の業績が好調なのはデフレの証じゃんか。日本経済が好転するという政府の話に騙されて高額シフトした2702マックHDも9983ファストリなんか、政府の騙しにのっかったツケを払わされてるよな。

とどめで最低賃金¥24アップって、国民をバカにしてるとしか思えんな。

まったくやる気あんのかねぇ・・・

そこに日銀はETFの増額を持ちだした。年3.3兆円を6兆円に増額するって、株価対策以外に何か意味があるんか?代替毎月3000億円もETFを買い続けてて、日本株はダラダラ下がってる。今度は毎月5000億円買うのね。月に立ち合いが20日として毎日250億円。中国じゃないんだから、そんなもの買ってどうするの?という感じ。アベノミクス初期の頃、日銀が1発目のバズーカをぶっ放した時、海外勢は1年で17兆円も買い越した。それをいまはバンバン売っていて逆張りしてるのが、GPIFと日銀と個人投資家かぁ・・・。結局日本市場のボラがどんどん無くなってしまうだけって気がするんだよな。

しかも、ETF買いは実体経済にまったく影響しない。つまり、見せかけで騙しの財政政策を安倍政権が繰り出したから、協調という名の日銀の回答がこれって・・・。要するに無視かよ。ほとんど、何もしなかったってことか。

早晩、海外勢も気が付いて・・・いやいやもうレポートかなんかが出てきてる頃だからな。「日本株投資はアンダーウエイト」みたいな内容が出回ると、上がり目も無くなっちまう。
今回の安倍政権の景気対策は、今回だけはもうマジで失望だぜ。

円高になるな。¥90くらいいっちゃってもおかしくないぜ。正直、調べれば調べるほど、失望感に満たされたよ。こりゃ「売り坊」は当分継続だぜ。

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日本株を読め!【7月30日版】暴落の序章

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29日発表の米国GDPが軟調だった。4-6月(第2四半期)GDPは市場コンセンサス2.5%増に対し
(前期比年率換算)1.2%増
1ー3月期(第1四半期)も修正され1.1%増→0.8%増となった。
reutersmedia
(個人消費に過度に依存する米経済)
原因は大幅な在庫と設備投資の減少で、特に在庫投資は2011年第3四半期以来のマイナス圏突入だ。反対に個人消費は4.2%増で2014年第4四半期以降で最大の伸びだった。
米国GDPの約7割は個人消費なので、これが堅調なことが最大のポイントになり、目先は米経済に来する懸念はない。だが、BREXIT後史上最高値を更新し続けた米国ダウは、完全にはしゃぎ過ぎ、PER22.3は高過ぎる。その反省が始まるだろう。

米国経済はピークアウトする可能性が濃厚と見る。まず2つのグラフがその可能性を示唆していることに気づく。
(米雇用統計&GDP比較)
米統計

上図が米雇用統計の推移、そして下図が米GDPの推移だ。今年度に入り米GDPは2015年度と比較し半減してしまったにも関わらず、雇用は2015年水準を維持してきた。しかし、5月に大幅な調整となり、6月は回復したものの平均値の減少傾向は止まっていない。基本的には米国経済は、2015年にピークアウトしたと見てもいい気がする。

にもかかわらず株価は、ここにきて史上最高値を更新した。これはつまりは株価の遅行性と俺は考えます。金融相場なので他国経済が軟調の場合、米国に資金流入が起こる。それがある種のバブルをもたらしていることは明白で、特に英国同様大都市部の不動産価格はリーマンショック前の最高値水準にあります。

しかし実体経済は、特に企業の設備投資は大幅に減少し、在庫投資も減少している。ということはつまりは今年度の米企業決算は、設備投資減、在庫投資減によって利益を確保していると言うことになります。

と、ここまで気付いた点を紹介したわけだが、昨夜のGDPによって、新たな懸念が生れた。それは8月5日(金)に発表される米雇用統計だ。これが軟調になると、米経済の予想は極めて悪化して
「雇用統計ショック」
もあり得ることになった。それは同時にFRBの利上げを完全に抹殺する。

さて、米GDPを受けて、為替(ドル円)が大きく動いた。日銀が金融緩和に踏み切ったにも関わらず、為替がこれだけ円高に傾いた要因は、米国GDPの悪化とETF買い入れ増額という為替に影響することにない政策に対する安心感だ。今後9月の中間決算に向かって日本企業の円買い需要は増えることも見越して、という側面も無視できない。
(ドル円チャート週足)
ドル円週足

年初からの円高トレンドは全く変更なしに推移している。仮に日銀が金融緩和を行うならば、このトレンドを転換させる内容でないと意味がなかった。巷間取りざたされる財政政策と金融政策の協調というのは、あまり意味を持たないのは明らかなのだが・・・。

というわけで、来週末の日本市場は、難物となった米雇用統計までの軟調な展開になるなず・・。
日経平均:¥15,700前後
ドル円:¥100前後
と予想する。

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完全出尽くし

日本市場の今日のスッポンバズーカは痛かったな。やるなら、金融政策総動員でやるべきだったし、個人的にはやるべきではなかった、と思ってる。やはり、政府の圧力が相当に強かったってことだろ。マジで適当に出来るものをやった、という感じ。だが、この選択も海外勢の失望を買ったことはほぼ間違いないよ。
gazou

安倍政権の景気対策と称するものは大盤振る舞いっぽく演出しながら、実は赤字国債も発行しないというもので、真水(GDP寄与)は単年度で4兆円程度と思われるわけだよ。照準は単年度のデフレギャップ(約6兆円)を埋める程度ってやつで、精査すれば大したことない。そこにもってきて日銀は2.7兆円のETF買い増しとくれば、その程度の政策では全く心もとないということが直ぐにバレバレだよな。

挙句に選挙は終わった、景気対策も発表した、FOMC、日銀会合も終わり、大統領候補指名まで終わったこの時期、日本も米国も「材料完全出尽くし」と相成ったわけだ。
そうすればおのずと株価の方向は決まってくる。
(ダウ日足チャート)
だう28

ダウはちょいと危ない水準にあるぜ。ソーサートップ宣言を一昨日しちまったけど、ホントかな?とちょっと自信がなかったが・・・価格帯別出来高みたら、$18,000割れの調整は覚悟だろ。まぁ、今夜もいまのところCFDは$18,400で踏ん張ってるが、出尽くしを認識すれば真空地帯をスルスルだぜ。
だいたいダウは買われ過ぎなんだって。PER22台でしかも業績は株価を押し上げるほどじゃない。となれば、スルスルに決まってるよ。
このチャートが無ければ、今夜の売り持ち越しは出来なかったよ。

(日経平均日足チャート)
にっけい29

全部、とは言わんが、今日の乱高下の原因は日銀の発表の遅れにあると思ってる。何度でも書きたいくらい、頭に来てるんだよ。マーケットに影響する発表だからこそ、時間を取りきめて時間厳守で発表する、くらいの改革をしろって思うぜ。
高い給料をいただいてるくせに、ちょっと許せないんだよ。
ということで、こちらも価格帯別出来高で¥16,500~¥17,000は結構重い。それをETF増額で抜け切れるか?というと、そんなの絶対に無理だろう?確かにETFは株価押し上げの要因にはなるが、ドル円とのデカップリングは今日だけだって。

現時点(22:25om)で、ドル円¥102.76日経平均CFD¥16,383と厳しい数値。8月はいよいよ「売り坊」の本領発揮かもしれんな。

 

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【2016年7月 総括】任天堂に足を向けて寝れない!

カテゴリ:
7はこのブログ開設以来最もパフォーマンスの出た月となった。
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BREXITの後遺症もあったけれど、突然の「ポケモンGO」ブーム任天堂が噴き上がったのを初期のタイミングで捉えることが出来た。と言っても上昇局面では、ザラバの値動きを売りで獲るというかなり無理な取引をしたが、その甲斐あってこの銘柄の板のリズムが染みついたように思う。
値嵩の銘柄だけに、大きな成り行き注文が少ないというのも、非常にやりやすい。小型の材料株のように一気に捲くられる、とかドカンを落とされるという値動きが少ないから、ある意味では安心感もある。さらには集散の境目も比較的分かりやすくて助かった。

何年かに一銘柄くらいの確率で、こういう銘柄に出会うことがあって、それは凄くラッキーなこと。決してその辺は自分の実力じゃ無いのは明白なんだよな。そのあたり、師匠に散々言われたし。だいたい相場で獲れるというのは、波長が合うってことだからと。

なるほど、今月はいろいろと師匠の言葉を思い出す月になった。師匠に勝たせて貰ったに違いない。お盆にはお墓参りです。

元金50万円
     口座残高   累積出金   投資効果
7月 ¥12,490,000  ¥12,000,000 (¥24,490,000)
6月   ¥8,070,000  ¥3,000,000 (¥11,070,000)
5月   ¥5,860,000  ¥3,000,000   (¥8,860,000)
4月   ¥4,256,000  ¥2,600,000   (¥6,856,000)
3月   ¥2,451,000  ¥2.600,000   (¥5,051,000)
2月   ¥2,310,000      ¥1,950,000   (¥4,260,000)
1月     ¥1,931,000      ¥1,750,000   (¥3,681,000)
12月 ¥1,562,000  ¥1,600,000   (¥3,162,000)
11月 ¥1,200,000  ¥1,450,000   (¥2,650,000)
10月 ¥1,271,000  ¥1,150,000   (¥2,421,000)
9月   ¥1,170,000      ¥1,000,000     (¥2,170,000)
8月   ¥1,125,000       ¥850,000     (¥1,975,000)
7月   ¥1,067,000       ¥700,000     (¥1,767,000)
6月    ¥855,000     ¥500,000     (¥1,355,000)
5月    ¥611,000     ¥400,000     (¥1,011,000)
4月    ¥607,000     ¥360,000     ( ¥967,000)
3月    ¥513,000     ¥210,000     ( ¥723,000)
2月    ¥525,000     ¥120,000     ( ¥645,000)

ぐらふ

さて、来週からはいよいよ8月相場入り。
この8月、9月は今後の世界経済を占う季節になると、俺は睨んでます。週末には具体的なことも書くつもりですが、特にこの8月の「材料出尽くし感」「イベント通過感」は半端じゃないからな。

日銀もETF買い入れ倍増という、嫌々ながらの政策をこの時期に投入してしまって、今後なにかあったらどうするの?みたいな状況になってるしね。
相場は金融緩和に反応するかもしれないが、すでに世界経済は金融緩和を信じていないよ。副作用があまりに大きくなってきて、それがリスクとして膨張しきってる感じ。
もう、無理なんだろうな、と・・・。
reutersmedia

小型株にしても当分相場には成りそうにないし、そうなるとやはり決算後の地合い勝負みたいになってくる。8月は下手をすると壊滅的な打撃を喰らう可能性もあるのでとにかく慎重に行きたい。

まだまだ、このガチブログ、継続してゆきますので、今後ともよろしくお願いします^^)



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