日本株を読め!【4月30日版 前篇】
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CME日経平均は¥15,880です。目を疑うような数字です。2日、少なくともこれだけGDしての寄り付きならば、需給は完全に悪化して、ほとんど上がり目はない状況です。しかし、この水準を政府が危機的と感じるならば、またクジラを動員しての買いも入るかもしれません。でないと、先日来の買い玉はすべて含み損を抱えることになるからです。ただし、ドル円が今後どうなるかによっては、「買っても無駄」となりますから。そこを買ってくるかどうか・・・根性の見せどころですけど。
さて、今後の展開ですが、イベント上のポイントは4つあると思うんです。1)企業決算の織り込み 2)5/10パナマ文書公開 3)サミット前の政府政策発表 4)5/18 1-3月期GDP速報値、です。ただし、これらが株価の動向を左右する要因になるかというと、ちょっと違う気がします。短期的には反応しても、5月相場は大きなうねりの中にあるような、そんな気がするわけです。その大きなうねりとは、1)ドル円 2)パナマ文書後の世界世論 3)5月ファンド決算売り 4)自動車業界の動向 5)原油価格、と考えます。
5月は荒れ相場を予想してますが、GWということで、じっくりと2回に分けて書いてみます。
1)企業決算と今期予想の織り込み相場
企業決算に関してはすでにこの状況では相場にならいですね。それよりも今期予想で、企業がどんな見方をしているのか、ですよ。想定為替レートや収益の伸び率です。きっとこの急落でGW返上で想定為替レートを変更している企業も多いと思いますがね。恐らく今期見込みは¥105くらいで作ってる企業が多かったんじゃないですかね?それが¥100でも危なくなってきてます。ちなみに¥100となると輸出企業は大幅減益で場合によっては赤字転落もありますから。そして恐らく5月開示企業は¥95~¥100が多いんじゃないかと。この辺りも今後の火種になりそうですけど。
2)パナマ文書(5/10)
世界の相場では、特に日米では全く無視した展開になってますが、実際にはこれが2016年の大きな火種に徐々に成長して、2017年のクラッシュに繋がると個人的には考えます。まず、基本的に合法といってもそれは手段の話であって、実態は全く違うと思うからです。企業がオフショアに資金を移す目的は投資です。そしてそこでの運用は非課税になる。なので、基本的には運用益を乗せた資金が企業の簿価となるわけですが、時価会計出なければ投資元本のままで後は含み益として残ります。つまり、利益はどうなっているのか分からない資金なのです。
この事実が問題にならないはずがないし、どの国でも最大のモラルハザードになると予想します。経済が悪化してくるとそれが国民運動化する可能性も十分に有りますよ。日本でも実名が上がった企業の業績が極端に悪化したりするかもしれません。格差は日本だけでなく世界的な大問題となっているからですよ。
公開当初は相場に対する影響は少ないと思いますが、これが2016年の後半の相場の鍵を握るかもしれないです。
3)サミット前の経済政策発表
伊勢志摩サミット、そして参院選を控えた安倍政権は、景気対策として補正予算や成長戦略を打ち出してくると思いますが、今回は恐らく市場の反応は限定的だと思われます。今年前半でテーマ相場は一応終了したと思ってます。なので相場の調整期に再び買い上げるリスクは大口投資家も取り辛いということです。新たな銘柄がいくつか大きな相場となる可能性は十分に有りますが、小型株指数としてはマザーズもJQも天井を打った気がします。
4)1-3月期GDP速報値(5/18)
(日本経済研究センターHP 引用)
企業決算の動向からしてほぼマイナスは間違いないと思われ、通期でもマイナスとなる気配です。これは株価下ブレの材料としては十分で、この辺りが底値になる気がするんです。ロングで勝負なら19・20日辺りかも。ただ相場ですから全く予想は出来ないですけど。
アナリストの分析や情報は、こんな感じでイベントを中心に組み立てるものが多いですよ。その上にスドル円の動向やダウの予想をかぶせて判断すると言うものが多いです。ただ、実際の相場は、そういう素直な動きはしないと、考えてます。なので、日頃の頓珍漢な俺の予想や感想となるわけですね。後半はその辺りを書きます。
【4月30日版 後編に続く】